測定器開発室について

 
 
 
 
 
 

 

PPD : 半導体で作る複眼センサー

素粒子や原子核の実験をはじめとして放射線を検出する実験装置では、しばしば微弱な光を検出する装置(光センサー)が必要です。以前ご紹介した光電子増倍管は、その高い性能と信頼性からスーパーカミオカンデなどの最先端の実験でも使われています。しかし光電子増倍管は比較的かさばる上に、大掛かりな周辺装置が必要で、大量の光センサーを必要とする用途には使いづらい側面があります。

「10万個の光センサーで高精度の実験を」という研究者の夢をかなえるような、画期的な半導体光センサーが、最近になってロシアで提案されました。シリコン光電子増倍器(SiPM)とも呼ばれるこのセンサーは、強い磁石の近くでも使えて、さらに数十ボルトの電圧で動作することから、日本を始め各国の研究者も注目しています。

測定器開発室では素粒子実験で実用を目指す日本の大学(京都大、神戸大、信州大、筑波大、名古屋大、新潟大、防衛大)やメーカーと協力して、この画期的な光センサーの開発研究を行っています(図1)。

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