次世代光センサープロジェクトでは

新しい光センサとして SiPM/MPPC(Silicon Photomultiplier/MultiPixel Photon Counter)の実用化を目指して平成17年に活動を開始しました。この センサーはAPD をガイガーモードで動作させて2値信号として読み出し、それを多数集めることにより擬似的なアナログ信号を得るという原理に基づいています。主な特長はゲインが高く、高倍率のプリアンプが不要で、 100V 程度の電圧で駆動でき、パルスが高速で、磁場中で動作可能という点です。開発に成功すれば、高速、 多チャンネルの光センサを安価に実装することが可能になり、素粒子原子核実験のみならず、他分野(医学等)への波及効果も期待できます。  

従来、光センサーの開発は、各実験グループがそれぞれ個別に光センサーメーカにアクセスし開発を行ってきたのに対して、測定器開発室光センサーグループ (RD-Photon) が、情報交換およびR&D をとりまとめる中心的な役割を果たすことにより、成果をグループ間で共有して有効に利用できるようにし、開発を効率化することができました。発足から4年間で、基本特性の理解、測定器システムとしてのインテグレーション、環境の影響(温度、放射線)、大量サンプルのテスト、等について成果をあげ、T2K 実験において世界に先がけて実用化に成功。 平成20年度には実用化の最終段階として大量サンプルの試験を行い、ピクセル数の高いサンプルを大量に使用した試作器のテスト、ガンマ線中性子照射による特性の変化の測定をしました。将来に向けて、さらに性能を向上させるスタディもおこなっています。他にもシミュレーションを用いデバイス特性を理解して、新たなアイデアに基づくセンサーの提案も行いました。


活動内容

What's new!

Feb. 14, 2012 測定器開発室定例会議 重点レビューで活動報告を発表しました。 (スタッフ限定)

 

メンバーとレビューア

メンバー

KEK/IPNS:中村勇、中平武、村上武
KEK/IMSS:門野良典、竹下聡史、平石雅俊、宮崎正範、佐藤宏樹
信州大:竹下徹、小寺克茂、山崎真、佐久間隆幸、戸塚俊介、長峯宏昌、和田秀雄
東工大:久世正弘、松原綱之、田中浩基
東京大:山下了、吉岡瑞樹、音野瑛俊、生出秀行、村瀬拓郎
名古屋大:飯嶋 徹、原 康二 ,Samo Korper, Peter Krizan, Rok Pestotnic,
Rok Dolenec (Josef Stefan Institute)
名古屋大・太陽地球環境研究所:伊藤好孝、田中隆之、滝和也
奈良女子大:宮林謙吉・平井珠生
京都大:中家剛、横山将志、南野彰宏、新田和範、大谷将士、永井直樹、家城佳、
ダニエル オーム
大阪大:佐藤朗、江口陽介、久野良孝
東京理科大学:千葉順成、角田周一
神戸大:川越清以、魚住聖、池田紘子、上山敬五、木村暁彦、東條剛士、野木寛之
筑波大:金信弘、前田高志、山崎秀樹、須藤裕司、生野利典、高橋優介
防衛大:新川孝男, 松村徹
新潟大:宮田等

レビューア

JAXA/ISAS:吉田哲也、 東京大学:山下了、 KEK IPNS:坪山透